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オピニオン Opinion

これからのマラソンは“草レース”が鍵【海外マラソンから学ぶ】

 

どうも。
ウエハラです。

前回の記事『ボランティア頼りのマラソン大会はこれから厳しいぞ【問題提起】』に関して、いくらか反響がありまして。

賛否両論、いろいろと貴重なご意見をいただきました。
ありがとうございます。

中には海外在住のランナーからもメッセージでご意見をいただき、「なるほどなー」などと思わせられました。
こうやって国際的な視点から意見を交換できるのはとても素晴らしい事ですね。

というわけで、頂いたご意見を咀嚼して、今一度僕の考えを文字に起こしてみようと思います。

日本と海外(ニュージーランド)のマラソン大会運営の違い

まず、冒頭に書いた海外在住のランナーはどなたかと言えば、ニュージーランド・ウェリントン(Wellington)在住谷本さん

2017年、ニュージーランド・ウェリントンのトレランコースを案内してもらった時。 左が谷本さん、右がブログ主・ウエハラ。2018年、ニュージーランド・ウェリントンのトレランコースを案内してもらった時。 左が谷本さん、右がブログ主・ウエハラ。

現地在住ならではの視点から、ニュージーランドのランニング事情・文化・トレーニング方法などを日本語で発信している数少ない情報発信者の一人です。

とても聡明な方で、深い洞察力から書かれた記事は僕もいつも大変興味深く読ませてもらっています。

2017年のホノルルマラソンで日本人トップの7位(2時間29分07秒)という高い競技力も持ち合わせており、競技者の視点からも有益な情報をたくさん発信されています。

 

谷本さんが執筆する記事を読む&サービスを知るにはこちらから!
↓↓↓

●ホームページ『RunZ RUN NEWZEALAND』

●ブログ『酒井根走遊会』

 

さて、そんな谷本さんからいただいたご意見を紹介しつつ、僕なりの解釈も含めて今一度自分の問題意識や解決案をまとめていきたいと思います。

(谷本さんのメッセージの紹介は本人に許可をとっています。※一部修正あり)

 

運営主体を比較してみる

今、世界中で数えきれないほど多くのマラソン大会が開催されています。

それらを一括りにして考えるのは、やはり無理がありそうです。

なので、まずは「マラソン大会を運営しているのは誰か?」という切り口から、ひしめくマラソン大会を分類するところから始めたいと思います。

 

※以下、谷本さんより
↓↓↓

現在の日本の主なマラソン大会は≪県・市・町・村≫などの地方自治体が主体となって行っているものが多いのかと思います。

対して、ニュージーランドでは≪企業(例えばレスミルズなどの巨大フィットネスグループ)≫もしくは≪ランニングクラブ(私の所属するクラブ・シティーにいくつかあるランニングクラブ)≫が主催となって行います。

 

1、企業の場合は主に企業の従業員が出勤という形で競技役員を務めます。
またフィットネス企業の場合、協賛企業もお手伝いします。
こういったロードレースではある程度規模が大きいです。(最も大きいもので参加者は全ての種目併せて5000人くらい

2、クラブの場合クラブのメンバーがボランティアで競技役員を務めます。
参加者は5ドル~10ドルくらいの参加料当日エントリー可
日本でも始まったパークランのような規模です。
一応公認記録になります。収益はクラブ運営費に行くので、クラブのイベントとして多くのメンバーが手伝います。

 

これらよりも大きな大会だとエアニュージーランドがメインスポンサーで大々的にマラソンといった形になりますが、日本の大きな都市型マラソンのような形です。

 

とのこと。

ここにいくつか僕の視点からの補足を加えてまとめると、つまりこういう感じでしょうか。

 

<日本とニュージーランドのマラソン大会運営主体の比較>

 

【日本の場合】

地方自治体(県・市・町・村)が主催する大会が多い。
(大会規模:小・中・大)

⇒しかし、実際に運営するのはイベント会社という場合が多い。
そして、大会規模が大きくなるにつれて大型スポンサー企業がつく。

 

しかし、ここ数年ほどはマラソンブームの過熱とともに

 

営利企業非営利組織が主催する大会も増えている。
(大会規模:小・中)

 

 

【ニュージーランドの場合】

大型企業が主催する
(大会規模:大 ※10,000人程度~)
 ⇒日本の都市型マラソンのような感じ

 

企業が主催する
(大会規模:中 ※5,000人程度)
 ⇒スタッフは企業の従業員が出勤する(給料が出る)。

 

ランニングクラブが主催する
(大会規模:小)
 ⇒スタッフはクラブのメンバーがボランティアとして行う。
  しかし、大会運営によって得られた収益はクラブの活動費に回される。

 

こうして日本とニュージーランドを比較して見ると、まず大きな違いは

マラソンの運営主体や大会規模・運営方法のバリエーション

これがニュージーランドの方が豊富で、日本の方が多様性に乏しい

 

日本では、ここ数年でこそ企業が主催するものも増えてきましたが、依然として、市町村など地方自治体が主催するケースが大多数です。

 

その一方で、ニュージーランドの大会運営主体は

大企業

企業

ランニングクラブ

の3つに大別されるというのが、谷本さんの見解。

 

①大企業が主催するマラソン大会と言えば、例えば

『ニュージーランド航空 クイーンズタウン国際マラソン』

こちらは、ニュージーランド航空(エアニュージーランド)が主催という形で、マラソンの名前にも企業名が大々的に冠されています。

 

②企業が運営するマラソン大会は、例えば

『レスミルズ』といった巨大フィットネスグループが主催するもの。

 

①と②に関しては、企業の従業員が勤務という形で運営スタッフを務めるとのこと。

つまり、給料が出るわけですね。

もしかすると、大会の規模によってはいくらか無償ボランティアの方もいらっしゃるかもしれませんが、日本ほど“無償ボランティア”頼りの大会運営ではなさそう

 

③のランニングクラブが主催するものに関しては、規模は小さいが自由度の高い運営が可能とのこと。

 

この記事の後半部分でも言及しますが、これからのマラソン大会はこの「ランニングクラブが主催するもの」つまり、

“草(アマチュア)レース”

が鍵を握っているのではないかと個人的に思います。

 

決して海外が全て正しいというつもりはありませんが、僕が言いたいのは

日本ももっといろんなやり方、仕組みで「マラソン大会」を考えてみてもいいのではないか?

ということです。

その一例として、ニュージーランドのマラソン大会運営の仕組みは参考になります。

 

【日本のマラソンの問題点】

①大会の規模が運営側のキャパシティを大きく超えてしまっている。

前回の記事『ボランティア頼りのマラソン大会はこれから厳しいぞ【問題提起】』でも書いた通り、

日本のマラソン大会は、ボランティアスタッフがいないと成り立たないというのが現状です。

なぜ、こういう事態になっているのでしょうか?

日本のマラソンの問題点として、それぞれのマラソンが運営側が管理できるよりも大きな規模になってしまっていることだと思います。

≪ボランティアに頼る≫ということは、その大きな現れです。

-谷本さん より

 

はい。

僕も全く以てその通りだと思います。

 

確かに昔は地域の熱意ある人が中心となって大会を運営し、無償で働いてもいいよという方々も比較的容易に集まっていたかもしれません。

しかし、大会が10年20年と続きそういう熱意のある方々が高齢化すると、後継ぎの問題が出てきます。

さらに、日本全国の市町村で深刻な人口減少が進む中で、昔と同じやり方がずっと通用するとは考えにくいです。

 

現に、全国各地でローカルマラソンが縮小、消滅するケースが増えています。

●来年2月の開催見送る 奄美観光桜マラソン (南海日日新聞 2018 / 10 / 2)

●萩往還マラニック終了 (マラソン経済研究所 2018 / 5 / 5)

●沖縄最大規模の駅伝大会、廃止へ 年々増える車 交通規制の対応が困難 (2019 / 8 /27)

●「おおいたシティハーフマラソン」休止します (大分合同新聞 2019 / 9 / 4)

 

そういう状況にもかかわらず、相も変わらず全国各地の市町村が新規マラソン大会を乱発しているのです。

しかもその規模が彼ら運営側のキャパシティを超えているものがほとんど。

 

それはきっと、

「やるからには、規模の大きい大会を開催して、とにかく人をたくさん呼び込もう!」

という思惑からなのでしょう。

 

しかし、それだけ規模が大きい大会をハンドリングできるだけの人材がその地域にどれだけいるのか?

という問題にぶち当たるわけです。

そして結果的に、ボランティアに頼らざるを得なくなる

それでは、地域住民が疲弊するだけではないのか?

 

これは、マラソンイベントに限らず、他の地域イベントにも言えることですね。

「イベント地獄」と呼んだりもするそうです。

*参考記事:地方は儲からない「イベント地獄」で疲弊する 現場がボロボロになる3つの「危険な罠」とは (木下 斉 氏 : 東洋経済オンライン 2017 / 1 /25)

 

②運営側がマラソンに興味がなく、どの大会も他所の真似事ばかりしている。

記事序盤でも述べましたが、日本のマラソン大会は市町村など地方自治体が主催するケースが大多数です。

 

僕は別に、そのこと自体は特別問題はないと思います。

きっと各市町村が、「自分たちの地域を盛り上げたい!」という思いで「マラソン大会を開催しよう!」という流れなのでしょう。

それは素晴らしいことだと思います。

 

しかし、問題なのは、

主催側(地方自治体)がマラソンに1ミリも興味がない

っていうことなんです。笑

 

要するに、

「とりあえずマラソン大会を開催しとけばいいんじゃね?」

「他のどこの市町村もやってるし」

「なんとなく地域活性化しそうじゃない?」

という安易なノリでマラソン大会の開催を決定してしまうのです。

(全部が全部じゃないですよ。でも、僕が見る限りこのパターンが非常に多い。)

 

しかし、肝心の主催側の地方自治体内部にはマラソン大会運営に精通している人がおらず、それどころかマラソンや走ることに興味がある人すらいない。

その結果、マラソン大会運営はその地域に縁もゆかりもない地域外のイベント会社に全面委託することになるのです。

 

でも、そのイベント会社は地域に根付いているわけではない場合が多く、結局は地域に上手くお金が落ちる仕組みを作りづらい。

例えば、スポンサーにつくのは大手全国チェーン店ばかりで、地元の商店にメリットがないとか。

地元の宿泊施設との連携がとれておらず、参加者の宿泊に繋がらないとか。

 

もっと悪いパターンは、地元の人はボランティアに駆り出されるばかりで、儲かるのは地域外のイベント会社だけ。

となれば、地元住民がマラソン大会の開催によって疲弊してしまうのは容易に想像ができます。

 

イベント会社に委託すること自体は悪いことではありませんが、少なくとも主催者側ももう少し当事者意識持った方が良い。

外の会社に丸投げだと、どのマラソン大会も似たり寄ったり、画一的なものばかりになってしまいます。

そして、特徴のないマラソン大会はこれからどんどん淘汰されていくでしょう。

 

【提案】
これからは“草(アマチュア)レース”が鍵!

とまぁ、問題点ばかり指摘して終わるのもあまりよろしくないので、ここで解決策というか僕なりの持論を提案したいと思います。

ニュージーランドとの比較のところでちらっと言述しましたが、

これからは“草(アマチュア)レース”が鍵になる!

という主張です。

 

つまり、「地域のランニングクラブが主催する小規模大会」

これが今後のトレンドになるのではないかと。

根拠は以下に続きます。

 

①運営主体のキャパシティに応じて、適度な規模感のマラソン大会が開催できる。

阿蘇地域のランニングクラブ『Team阿蘇』が主催したタイムトライアルイベント阿蘇地域のランニングクラブ『Team阿蘇』が主催したタイムトライアルイベント

地域のランニングクラブが主催する大会となると、必然的に大会の規模は小さくなります

2018年に僕が所属する『Team阿蘇ランニングクラブ』で簡単なタイムトライアルイベントを行いました。

参加者は30~40人程度

本当に小さなコミュニティイベントって感じです。

 

非常にコンパクトな運営コンパクトな運営で負担を減らす

でも、このくらいの小規模イベントの良いところはコンパクトな運営ができるという点です。

小規模だからこそ少人数のスタッフでも回せるし、柔軟な運営が可能となります。

これは参加人数が増えて、大会規模が大きくなり過ぎると逆に難しい。

 

最近の日本のクラブではトラックを借りてタイムトライアルを開催するクラブが多くなってきていると思います。

あれをロードに置き換えて開催できる程度のものでも十分に満足感の得られるものになるのではないでしょうか。

クラブ数も年々増加傾向になると思うので地域のクラブと共催という形でもできると思います。

-谷本さん より

 

大会の規模が小さい=参加者が満足しない

なんてことは決してありません。

むしろ、小規模大会だからこそ提供できる価値や親しみやすさが武器になると思うのです。

 

これを活かした、僕がとても良いイベントだなと思うのは『オトナのタイムトライアル』

ロードレースではなく、陸上競技で使用する400mトラックでのタイムトライアルイベントです。

箱根駅伝や世界大会にも出場するようなエリートランナーと市民ランナーがフラットに交流できるのが魅力。

 

参加者は1,000人程度ということで、必ずしも小規模とは言えませんが、陸上トラックという周回コースで開催されるため、ロードレースと比べると運営は比較的コンパクトになると思われます。

コース誘導員といった人員が少なくて済む分、スタッフは参加者へのサービス会場の雰囲気作りといったところにエネルギーを注ぐことが出来るのです。

『オトナのタイムトライアル』(通称OTT)は、MCが場を盛り上げたり、豪華なペースメーカー陣が参加者を徹底アシストしたり、観客席の盛り上がりが凄かったりと、他のランニングイベントとは一線を画す内容となっています。

だからこそ、『オトナのタイムトライアル(OTT)』にはファンがかなり多い。

オトナのタイムトライアル 5000m 8組 2019年1月6日 (EKIDEN NEWSより)

②クローズドな募集により、運営側と参加者のミスマッチを防ぐことが出来る。

参加者と運営側どちらも気持ちよく開催できることが大事参加者と運営側どちらも気持ちよく開催できることが大事

“草(アマチュア)レース”の利点をさらに挙げると

「運営側と参加者のミスマッチが起こりにくい」

ということが言えます。

 

規模を大きくする分、ランナー側(参加者)のニーズ(悪く言うとわがまま・無理難題)が増えてしまうので、そういったすべてのニーズに応えるのは都市型マラソンに任せて、地域では非常に規模の小さいものを年に数回行えるような形でもいいかもしれません。

-谷本さん より

 

そうなんです。

マラソン大会というのは(他のイベントもそうだと思いますが)、規模が大きくなればなるほど、参加者からのクレームが増えます。

これは、運営側と参加者のミスマッチが一因です。

 

例えば、トレイルランニングの大会などでありがちなのが、「コーステープが少ない問題」

コーステープとは、その名の通りコースを示すテープのことです。

大会運営側は「コースを探しながら走ることもトレイルランニングの醍醐味」という気持ちから必要最低限の数のコーステープしか付けないことがあります。

 

ところが、参加者の中には

「コーステープが少なすぎる!」

「道に迷ったらどうするんだ!」

という方も出てくるわけです。

 

これが、運営側と参加者のミスマッチの一例。

どちらが悪いというわけではなく、大会運営の方針と参加者のニーズが一致しなかったということだと僕は思います。

こうしたミスマッチは、運営側・参加者双方にとって不幸

誰得?

そこで、“草(アマチュア)レース”のような小規模大会であればどうでしょうか。

 

“草(アマチュア)レース”は、参加者募集の段階で運営側と参加者の距離が近いケースが多く、こういったミスマッチを(完全ではないにしろ)防ぐことができます。

 

その“草(アマチュア)レース”を主催するランニングクラブに普段から関わっている人、あるいはそこから繋がりがある人のみに募集を限定する。

そうすることで、運営側と参加者の間では普段から積み上げられた信頼関係によって、お互いに不幸なミスマッチを減らすことができ、よりスムーズな運営が可能となります。

つまり、“クローズドな募集によって、運営側の方針とマッチした参加者を選ぶ”ということです。

大会運営側も参加者も双方が気持ちよく開催できるマラソン大会が求められます。

 

これも特段マラソン大会運営にのみ言えることではないと僕は思っていて、様々な業態において「お店側がお客を選ぶ」という流れが今後加速していくのではないかと個人的には思っています。

なぜなら、深刻な人手不足の中(特に地方)、働く側が少しでも気持ちよく働ける職場環境を求めているからです。

社会派ブロガー・ちきりんさんの記事を載せておきます。
↓↓↓

*参考記事:客を選べない仕事の不人気化 (ちきりん : Chikirinの日記 2019 / 8 / 7 )

 

③「走る+α」自由な発想で開催でき、差別化しやすい。

“草(アマチュア)レース”小規模大会だからこその3つ目の利点。

 

それは、自由な発想で「走る+α」の付加価値を付けやすいということ。

 

2016年6月『阿蘇ピクニックラン』2016年6月『阿蘇ピクニックラン』(主催:阿蘇ネイチャーランド)

僕が以前勤めていた「阿蘇ネイチャーランド」さんで企画担当させてもらっていた『阿蘇ピクニックラン』というランニングイベントがありました。(現在休止中。)

このイベントのコンセプトは「走る×食べる×観光」

「走る」に加えて、「食」が大きなテーマ。「走る」に加えて、「食」が大きなテーマ。

「走る」ことだけが目的ではなく、「食べる」も重要な楽しみ方。

なので、エイド食の準備には尋常ではないエネルギーを注ぎ、地元のお店から熊本・阿蘇の美味いものを揃えます。

普通のマラソン大会でのエイド食と言えば消化の良いものをチョイスしますが、このイベントでは唐揚げやコロッケなどがっつり揚げ物もガンガン食べさせます。笑

だって美味しいものを食べてほしいですから。

参加者もそれを求めている方が多いので、それでOKなんです。

「走×食×観光」3のテーマを掛け合わせる「走×食×観光」3つのテーマを掛け合わせる

また、もう一つのテーマは「観光」

のんびり走って地元をよく見て回ろうということで、敢えてタイムも順位も計りません

参加者は一定のペースによって分けられたグループの中で走ります。

そして、ランナー同士の交流が生まれ、ランニング仲間としてその後も親交が続くといったケースもあります。

RKK熊本放送局ジャスト(2017年1月放送)

 

この『ピクニックラン』は参加者の人数的には50~100人程度

決して大きいマラソンイベントではありませんが、小規模だからこそ自由な発想「走る+α」の付加価値を提供することができるのです。

これだけ全国でマラソン大会が乱立している中、「ただ走るだけのマラソン大会」は淘汰されそうな気がしています。

 

④大会運営で得られた収益をクラブの活動費に回せば、主催クラブの大きなメリットになる。

運営側にメリットが生じるような仕組み作りも大切運営側にメリットが生じるような仕組み作りも大切

最後に、お金的な話を。

地域のランニングクラブが運営する大会だからといって、クラブのメンバーがボランティアスタッフとして搾取されるようではいけません。

それは結局、『ボランティア頼りのマラソン大会はこれから厳しいぞ【問題提起】』という問題と同じことが起きてしまいます。

 

だから、運営側にも金銭的なメリットが生じるような仕組み作りが大切。

そういう意味で、大会運営で得られた収益をランニングクラブの活動費に回すというのは良いアイデアだと思います。

 

ランニングクラブだって無料で活動できるわけではありません。

練習場所の利用料、備品・消耗品の購入代、コーチ・マネージャーへの謝礼などなど。

クラブに資金があれば、より充実した活動をすることができます。

 

だから、ランニングクラブが自分たちの趣味であるランニングを通じて社会に価値提供し収益を得る

そして、そのお金の使い道が同じくランニング文化の充実・発展に繋がるというのなら、それはとてもクリーンなビジネスモデルと言えます。

 

まとめ

はい。

今回もかなり長く熱く書いてしまいました。

最後に要点をまとめておきます。

 

<まとめ>

①今の日本のマラソン大会は、運営側のキャパシティを超えた大規模なものばかり
 ⇒大規模大会に拘らなくてもいいんじゃない?

 

②これからは小規模な“草(アマチュア)レース”が鍵!
 ⇒管理可能な規模感で、小規模大会ならではの付加価値を提供する。

 

大会運営側も参加者側も、そして地域もハッピーになる大会作りを目指そうぜ。

 

以上です。

あーもう、この手の記事は書くのに気を遣い過ぎていかんですね。笑