どうも。
ウエハラです。
さて、前回記事にて、『2018年度シーズンの振り返り』を行った。

一言でまとめると、2018年度シーズンは練習を継続できなかったシーズンであった。
なので、2019年度シーズンはしっかり長期的な目線でトレーニングを積んでいきたい。
そのためには事前にしっかり計画を立てることが重要だ。
たとえ計画通りに物事が進まなかったとしても、やはりある程度の道筋を立ててトレーニングしないと迷子になってしまう可能性が高くなる。
本流を定めて、そこからいかに乖離があるか気付くことが学び。
そこのギャップを埋めて、修正していくことが、成長。
◆フルマラソン『Breaking 2.5』
まず、ざっくりした目標を公開すると、
フルマラソン : 2時間30分切り
そう。
つまり、
『Breaking 2.5』プロジェクトである。
僕は数年前からずっとこの『Breaking 2.5』を目標に掲げていたわけだが、所詮目標止まりでそれに相当する実践が伴っていなかった。
つまりは、“口だけ”だったのである。
ちくしょー、自分。
◆[ダニエルズ式]目標設定
以前、以下の記事を書いた。
↓

『ダニエルズ理論』のVDOT表を活用すれば、自分の現在の走力レベルをざっくりと予測することが出来る。
また、目標とする走力レベルを参考にすることで練習時のペースなども計算することが出来るのだ。
まずは、『ダニエルズ理論』のVDOT表を参照してみよう。
VDOT | フルマラソン | ハーフマラソン | 10000m | 5000m | 1500m |
VDOT63 | 2時間36分44秒 | 1時間14分54秒 | 33分55秒 | 16分20秒 | 4分24秒 |
VDOT64 | 2時間38分38秒 | 1時間13分53秒 | 33分28秒 | 16分07秒 | 4分20秒 |
VDOT65 | 2時間32分35秒 | 1時間12分54秒 | 33分01秒 | 15分54秒 | 4分16秒 |
VDOT66 | 2時間30分36秒 | 1時間11分56秒 | 32分35秒 | 15分42秒 | 4分13秒 |
VDOT67 | 2時間28分40秒 | 1時間11分00秒 | 32分11秒 | 15分29秒 | 4分10秒 |
VDOT68 | 2時間26分47秒 | 1時間10分05秒 | 31分46秒 | 15分18秒 | 4分06秒 |
VDOT69 | 2時間24分57秒 | 1時間09分12秒 | 31分23秒 | 15分06秒 | 4分03秒 |
参考:ダニエルズのランニング・フォーミュラ 第3版 / ジャック・ダニエルズ
p.80
フルマラソンでのタイムを基にして僕のVDOTを算出すると、現在の僕の走力レベルは“VDOT63”あたりになるだろう。
つまり、各距離のレースタイムで言えば、
フルマラソン = 2時間36分44秒
ハーフマラソン = 1時間14分54秒
10000m = 33分55秒
5000m = 16分20秒
1500m = 4分24秒
ということになる。
(あくまで『ダニエルズ理論』上の計算なので完璧な予測ではない。)
では、『Breaking 2.5』を達成するには、VDOTをどこまで向上させなければならないか。
それは、VDOT67である。
これを、各距離のレースタイムで表すと
フルマラソン = 2時間28分40秒
ハーフマラソン = 1時間11分00秒
10000m = 32分11秒
5000m = 15分29秒
1500m = 4分10秒
となる。
これで、各距離のレースでの目標タイムが少しはっきりしてきた。
フルマラソンを何回も走るのは身体的・精神的ダメージが大きいが、5000m程度の距離であれば比較的繰り返してタイムを計ることができるだろう。
また、5000mであればシーズン前半、つまり夏場でも取り組みやすい距離である。
まずは、この5000m15分29秒(3分6秒/km)という水準の走力を身に付けることを意識してトレーニングすれば良いだろう。
VDOT表活用のメリットはここにあって、それは異なる距離のレース間において相当するタイムを予測できるということだ。
『ダニエルズ理論』
↓
◆具体的アプローチ

では、具体的にどういったアプローチ(練習法)で『Breaking 2.5』を達成するかという話。
この練習法に関しては、正解はないし、人それぞれに合ったやり方というものがある。
ただし、科学的根拠に基づいた理論を試してみる価値はやはり無視できない。
「仮説検証を繰り返しながら最適解を求めていく」という根本的なプロセスは万事共通だ。
「ただ、何となく練習する」
「言われた練習メニューを目的意識なくこなす」
こういう姿勢ではたとえそれで走力が上がったとしても、何が原因で走力が上がったのかが曖昧になってしまう。
いや、むしろこのやり方では走力が上がることの方が珍しいだろう。
プロセスの検証性・比較性に乏しく、改善のしようがないからだ。
説教臭くなってしまい申し訳ないが、今から来シーズン僕が重視したいトレーニングを紹介したいと思う。
それが、閾値走だ。
『ダニエルズ理論』では、練習時の推奨ペースとして、
イージーペース、マラソンペース、閾値ペース、インターバルペース、レペティションペースがある。
その中で、“閾値ペース”というランニングペース(練習強度)で走ることが閾値走である。
閾値とは、“LT( 乳酸性作業閾値)”のことで、人間の体内で乳酸の分解が追い付かなくなり体内乳酸量が急激に上昇するポイントである。
具体的に言えば、20~30分間継続できる運動強度だ。
つまり、このポイント(閾値)を超えると、身体が思い通りに動かなくなっていくということだ。
では、僕の現在の走力VDOT63における予測閾値ペースと、僕の目標の走力VDOT67における予測閾値ペースをそれぞれ見てみよう。
・VDOT63における予測閾値ペース・・・3分32秒/km
・VDOT67における予測閾値ペース・・・3分21秒/km
ご覧の通り、VDOTの違いにより、閾値ペースは変わってくる。
つまり、それぞれの走力レベルによって閾値走におけるランニングペースは全く異なるのだ。
そして、この閾値に近いペースでランニングを行うことで、その人の閾値を向上させることができる。
つまり、一定時間継続できるランニングの速度が段々と上がっていくというわけ。
僕の場合、3分32秒/kmペースで20~30分走る練習(閾値走、20~30分間テンポ走)を繰り返していき、その練習を最終的に3分21秒/kmペースで行えるように段階的にトレーニングしていく必要がある。
※米国では「テンポ走」というと日本での「ペース走」のような位置付けで、必ずしも20~30分間走というわけではない。
また、「クルーズインターバル」という形式で、短い休息(リカバリー)を挟みながら閾値ペースでのランニングを繰り返すという練習法もある。
これは、日本で一般的に「インターバル」と呼ばれている練習よりも1本1本の出力(スピード)は落とすことになる。その代わり、休息(リカバリー)は短く速めのペースで繋ぐ。
閾値ペースとは、マラソンのレースペースよりも速いペースだ。
この閾値ペースを向上させること、また、閾値に近いペースで走れる距離を伸ばしていくことで、マラソンペースにおける余裕度が拡充するはずだ。
もちろん、閾値走だけがマラソントレーニングではないし、閾値走をするだけでマラソンが速くなるわけではない。
しかし、何事も実験。
来シーズンは、閾値走の割合を増やして、いわゆる“スピード持久力”をしっかり鍛えていきたいと思う。
◆マイルストーン設定

さて、最後に。
冒頭でもお伝えした通り、2019年度シーズンは長期的な視点でトレーニングを組み立てたい。
もちろん、この『Breaking 2.5』フルマラソン2時間30分切りという結果がすぐに出せるわけではない。
そこで、この2時間30分切りという記録を9ヶ月後、つまり今年の12月に出せれば良いかな、と思っている。
狙うレースとしては、12月に開催される『青島太平洋マラソン』(宮崎市)だ。
あるいは、同じく12月に開催される『福岡国際マラソン』も走りたいのだが、こちらは標準記録の2時間35分を9月までに切らなければいけないので、現段階で確定的なことは言えない。
そもそも9月までに記録を狙えるレースが少ない。
とはいえ、『青島太平洋マラソン』も先着エントリー方式なので、この0次関門を突破しなければやはり走れない。
まあ、とにかくこの12月あたりの時期で『Breaking 2.5』を達成したい。
そうと決まれば、逆算して「この時期までにこれくらいまで走力を上げておきたい」という進捗を考える必要がある。
いわゆる「マイルストーンを設定する」というやつだ。
というわけで、以下に各時期における到達目標を記す。
4月~5月:VDOT64
(5000m = 16分10秒~16分00秒、1500m = 4分20秒)
(閾値 = 3分29秒/km)
6月~7月:VDOT65
(5000m = 16分00秒~15分50秒、1500m = 4分16秒)
(閾値 = 3分26秒)
8月~9月:VDOT66
(5000m = 15分50秒~15分40秒、1500m = 4分13秒)
(閾値 = 3分24秒/km)
10月~11月:VDOT67
(10km = 33分00秒~32分10秒、5000m = 15分30秒)
(閾値 = 3分21秒/km)
12月:VDOT67
(フルマラソン = 2時間28分40秒)
(閾値 = 3分21秒/km)
4~9月まではとにかくトラックでスピードを磨き、スピードの絶対値を上げておきたい。
最高スピードを上げるとともに、閾値スピードも徐々に底上げしていく。
(そして、基本のJogも怠らない。ある程度の距離は踏んで基礎スタミナを付けておく。)
10月~11月はマラソンペース~それよりやや遅めの距離走・ペース走を増やす。
マラソンペースにおいて、余裕を持ちつつ長い距離を走る力を養う。
この時点で閾値が十分に開発されていれば(3分20秒/kmくらい)、マラソンペースにおける余裕度は拡充しているはずだ。
その余裕度を持って42.195kmしっかり走り通せる力をつける練習をこの2ヶ月で行うイメージだ。
とはいえ、計画通りに、教科書通りに、物事が上手くこともほとんどないのでそこは臨機応変に調整していきながらやっていきたいと思う。
あー楽しみ。
マラソン・陸上は練習計画を練るのも楽しみの一つだ。
『ダニエルズ理論』をもっと学びたい方はこちらからどうぞー
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