どうも。
ウエハラです。
◆豊肥線 Long Slow Distance
今日は仕事が休みなので、ここぞとばかりに走ってやろう。
Long Slow Distance (LSD)
「ゆっくり長く走る」練習だ。
全身の毛細血管の発達と脂質代謝を促すのが目的。
これらは、速く走る練習よりも、敢えて遅く走る練習によって得られる効果である。
何をもって「長い」というかは人それぞれだが、今日の僕の目安は60~70km。
1ヶ月後に迫った『壱岐ウルトラマラソン100km』に向けた走り込み練習だ。
◆頭のネジを外す
60~70kmもの距離を走ると言うと驚く方もいるかもしれないが、1ヶ月後に100kmマラソンを走ることを考えたら妥当な練習距離だと思っている。
それに、僕の周りには100kmランナーや100マイル(約160km)ランナーもごろごろいるし、さらにはUTMB、UTMFなどトレランで100km超えのレースを走破する人もいる。
きっと、彼らは“頭のネジが外れている”のだ。
うん。
そうに違いない。
素晴らしいことだと思う。
こうなったら僕も“頭のネジを外す”しかない。
「42.195km? 短いじゃん」
「10km? 短距離じゃん」
という感覚に持って行けると良いだろう。
自分の中での“当たり前”のレベルを上げていく。
これが練習の肝だと思う。
他人の基準は関係ない。
人が「30kmは長い」と言っても、自分が「30kmは短い」と思うのであれば、それが正解。
日本の子供は学校まで歩いて2kmくらいが“当たり前”だろうか。
アフリカには毎日学校まで10km、往復20km歩く子もいるらしい。
彼らにとっては、それが“当たり前”なのだ。
そりゃあ、アフリカの人達が足が速くなるのも納得だ。
“当たり前”の感覚はみな違う。
周りから見て「頭のネジが外れている」と思われるくらいのことが“当たり前”になっている人がやっぱり強い。
◆阿蘇発
8時過ぎ、阿蘇駅スタート。
朝食は缶コーヒー1本(約60kcal)のみ。
なるべく空腹状態で、糖質ではなく脂質代謝を促す。
脂質由来エネルギーの方が耐久性スポーツにおいてはエネルギー効率が良い。
天候は雨が強くなったり、弱まったり。
でも、雲の感じから後半は止みそうな気がしたので気にせず練習決行した。

6分/kmを超えるペースでのんびりと。
国道57号線沿いに滝室坂を上り、大分方面へと走る。
『もののけ姫』で、アシタカは“西へ”旅したが、今日の僕は“東へ”旅をする。

ピークは過ぎたらしいが、今が見ごろの波野のそばの花畑。
今日のLSDはウルトラマラソンに向けたトレーニングという意味合いももちろんあるのだが、走ってその地域その地域を見て回るのが単純に楽しいからという動機も強い。


14km地点。
道の駅・波野『神楽苑』
少し水分補給とトイレ休憩を挟む。
まだまだ先は長い。
波野はちょくちょく探検しているが、奥の方に行くとまるで迷路である。
またじっくり探検したい。

そのまま淡々と57号線を走り続け、熊本県と大分県の県境に達する。
これより大分県の竹田市に突入する。
3年前に走って日本縦断をしていたときもそうだったが、自分の脚で県境を跨ぐ瞬間は妙にテンションが上がる。

24km地点。
道の駅・菅生(すごう)に到着。

10:40。
ここで補給食。
せっかくなので、大分っぽい「はちみつかぼすジュース」と「コーン饅頭」。

「はちみつかぼすジュース」は
エネルギーとしての糖分と疲労回復としての酸味が良い感じに混ざっており、トレーニング中の水分補給に向いてるな、と思った。

ボチボチ走り始める。
彼岸花の赤色が眩しい。

33km過ぎ。
古い町並みの岡城城下町を抜け、大野川の支流沿いに豊後大野市を目指す。

ここまでずーっと交通量の多い57号線を走ってきたが、この辺りから田舎道になり車通りも減る。
たくさんの車とすれ違いながら長時間走り続けるのは、思った以上にストレスになる。

豊後大野市・緒方町。
明らかに市町村合併の名残が残っている看板だ。

そのまま、山あいの起伏多めの道を走り続け、次の休憩ポイントに到着。
43km地点。
道の駅・原尻の滝。


“九州のナイアガラの滝”らしい。
ここは以前にも来たことがあるが、豊後大野もジオパークとしての見所が多いので他のところもまたいろいろ探検したい。

13:00。
2度目の補給食。

五穀あんパン美味い。

「塩とカボスジュース」
これもまた美味い。
フルマラソンの距離を超えて、発汗によりミネラルが大量流出していたため、塩分がすーっと身体に染み込む。

ここでは、長めに40分程休憩。
なんとなく今日の服装を撮る。
じわじわと身体が重くなってきたが、もうちょっと頑張って走ろう。

補給したパンを消化させつつのんびりと走る。
JR豊肥本線とここで一旦合流。
田園風景の中を走るワンマン列車の姿が良さげ。
今日は帰りは電車に乗って阿蘇まで帰る計画だ。
その方が往復走るよりも遠くまで行けて楽しい。

猿田彦の橋を渡り、

清川神楽に迎えられる。
走行距離は50kmを超えた。

59km地点。
豊後大野市・三重町に到着。
これまで通ってきた山道に比べると大都会である。
60kmを過ぎて、流石に脚が重くなってきた。
走るペースが6分/kmを超えてきたので、そろそろ止め時だろうか。
当初の予定通り60kmは超えて走ってきたのでまあ無理して70kmまで走る必要もない。
頑張れば70km走れないこともなかったが無理せず65kmで止めておいた。

ゴール地点は三重町駅。
帰りは、ここから電車に乗って阿蘇までワープするという算段。

田舎なので電車の時刻表はこんな感じ。
大体1時間に1本である。
都会の人はこういうのを見て驚いたり、テンションが上がったりするらしい。
しかし、僕の田舎・奄美大島では島内に電車すらない。
時刻表がないどころか、島を出るまで電車に乗ったことがない人も多い。
そういう意味で、奄美は他の田舎より一線を画している。
どうでもいいけど。

というわけで、程よい疲労感を身体に残して阿蘇に帰還。
明日の朝は毎週恒例のクロカン30km走。
うん、短く感じるぞ。
良い感じに頭のネジが外れている。



