『ランニング飛脚便』 3日目(10/14)
佐賀県・吉野ヶ里町~福岡県・大牟田市
●吉野ヶ里町発

5時半起床。
昨晩は幸運にも24時間営業のコインランドリーにありつけたので、室内でそこそこ温かく寝ることが出来た。
そこそこというのは、室内でも微妙に寒かったからである。
外で眠っていたらかなり厳しかっただろう。
さて、もう10月中旬で日が昇るのが遅くなった。
九州はさらに日が昇るのが遅いので、6時前からようやく明るくなりだす。
それまで、体操や筋トレをして身体を温める。

6時半に吉野ヶ里モールを出発。
空気はまだまだ冷たく、指先は冷え切っている。
吐く息も白く染まっていた。

周りには平野が広がるばかりで、少し北海道と似ているなと思った。
20分程走ると、身体がポカポカと汗ばんできた。
ジャージを脱ぎ、半袖シャツになってからエンジンがかかる。
それから、5:30/kmペースで淡々と走り続けた。
早朝の空気は特に気持ちが良い。
昇り始めたばかりの太陽が秋の空気を温め始めていた。


先日と同じく385号線をしばらく走っていくと、筑後川にぶつかる。
この筑後川も佐賀と福岡の県境である。
橋を越えて、僕は再び福岡県に入った。

川を一つ渡っただけなのに交通量が増えだすのが面白い。
●柳川市

そのまましばらく385号線を走り続けると、福岡県・大川市などを経由して、柳川市に入る。
ここまで19km走った。
柳川市は福岡県の南部に位置しているが、この辺りは福岡に住んでいる自分もあまり行ったことがない。
江戸以前の古い日本の情緒が残る観光地として有名だ。

閑静な古い町並みの中心に流れる川はとても穏やか。
平日なので観光客はそれほど多くなく、たまに年配の方々がツアーで町を歩いているのを見かけた。
それから、有名な「柳川の川下り」の光景も目にする。
船の漕ぎ人が歌う歌が静かな街並みに小さく響いていた。

続いて、柳川藩主・立花家の旧邸も覗いてみた。
実はここは、今回の『ランニング飛脚便』の受取人の方が、柳川を通るならぜひ寄ってみて、とお勧めしてくれた場所である。
展示品はどれも保存状態が良く、当時の人々の生活がありありと想像される。

そして、中庭の立派なこと。
この庭園は「松濤園」といって、国指定名勝でもある。
立派だけれども、どこか寂しさも感じられる。
身体の力が抜けていくような、落ち着く場所だ。
いや、ただ単に走り疲れただけかもしれないが。

中にまでは入らなかったが、詩人・北原白秋の生家も見て回った。
生家は酒蔵であったらしい。
知らなかった。
いつまでも勉強不足である。
●柳川発

柳川散策を終え、昼休憩。
朝6時から20km近く走り、そのまま歩き回っていたので結構くたびれた。
つまり計6時間ほど一度も腰を下ろしていなかった。
こういう場合、ランよりも「+αの歩き」の方がきつかったりする。
まあとにかく、いつものようにJoyfullでブログ更新やら読書やらして過ごす。

少し長めに休憩をとり、再び走り始めたのは17時。
有明海の方面に沈む夕日が青空を美しいグラデーションで染める。
希薄な秋雲が海の彼方に吸い込まれるように伸びていた。
●大牟田市

次第に日が暮れていくにつれ、気温も下がってきた。
肌寒い空気を切るように走り続ける。
身体は良く動いてくれて、5:20/kmペース。
荷物を背負っていることを考慮すると上出来か。

13km走って、大牟田市に到着。
福岡県の南端である。
この先はいよいよ熊本県だが、今日はこの辺で休む。

大牟田市街に到着する頃には既に日が落ちていた。
今日も良いタイミングでショッピングモールを見つけたのでそこで寝れそうだ。
今夜は寒さが厳しくないことを祈る。

まあ、いざとなればネットカフェが近くにあるのでそこに駆け込むかもしれない。
[3日目・走行距離:32km]
[累積走行距離:74km]
