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オピニオン Opinion

【走って日本を縦断したことも所詮、過去の記憶となる】【旅ラン】

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「日本縦断ラン」を終えて1週間が経った。

僕は自らの脚だけで福岡から北海道の宗谷岬まで3700kmという距離を踏破した。

 

5ヶ月近くかかったこの挑戦は結末を迎え、それはやがて過去の記憶へと変わっていく。

そしてその記憶は時の流れとともに薄れていき、日常の波が押し寄せてくる。

 

いや、何もこれまでが日常でなかったわけではない。

日本縦断をしているときも日常は変わらず日常であった。

 

街ゆく人々は朝、車を会社へ走らせ、夕時はスーパーへ買い出しに出かける。

山中の鳥たちはいつものように夜明けを知らせて鳴き始める。

僕はいつものように腹が空き、疲労し、眠くなる。

 

僕ひとりが「非日常」にいたということはない。

日本中のどこへ逃げても、そこには日常があった

 

 

その日常の中で、僕は走って日本を縦断した。

そして今、その「事実」が残った。

僕はその事実を5ヶ月かけて完成させたのだ。

 

別に自慢したいわけじゃない。

それは小学生が夏休みの宿題を終わらせたとか、大学生が同じバイトを4年間続けたとか、そういうことと何ら変わりない。

 

これは「事実」の完成に過ぎない。

日常に起きた地味な出来事の積み重ねである。

 

 

「で、そこから何を学んだの?」

 

就職活動にて、その学生の過去の活動を聞いた後、採用担当者が必ずと言っていいほど投げかける質問だ。

 

今の僕はまだこの質問に自信をもって答えられない。

どの言葉を選んでみても陳腐に聞こえてしまうからだ。

 

果たしてこの日本縦断ランにはどういう意義があったのだろうか

 

 

・・・とまあ、つまらない感傷に浸っている。

 

人間が抱く迷いや漠然とした不安なんていうものは、大抵ひとりよがりの自慰行為だ。

きりがない。

 

人は迷いたいと思えばいつまでも迷えるし、不安を感じようと思えばいつまでも不安でいられる。

 

 

そこで僕は開き直った。

 

日本縦断ランから何を学べたかなんて今すぐ分かるものではないさ。

 

もはや、日本縦断ランは「過去」の遺物である。

 

僕は「今」何をしているかで自分を語りたいと思う

 

その「過去」が「今」にどう繋がっているのか、急いで定義するほどのことでもあるまい。

一時期流行ったが、故スティーブ・ジョブズの言葉を借りれば「コネクティング・ザ・ドッツ(connecting the dots)」とでも言おうか。

いつか繋がれば、それで良い。

 

 

「では、お前は今、何をしているんだ?」

 

と聞かれれば、僕はまだ、ひとりよがりの迷走を続けている。

 

けれども、確実に走行距離は増えていると思うし、迷走する中で見えてきた景色も、確かにある。

 

 

そして、今日も日常がやってくる。

時はある残酷さをもって流れていく。

 

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※旧サイトでのコメント

  1. toshie より:
    2015年9月5日 11:04 PM

    日本縦断ランで学んだこと・・・すぐに答えは出ないかもしれないけど、これからの人生においてきっと大きな大きな力となるはずだよ。

    今回のたくさんの人との出会いが、より心やさしく豊かにし、訪れたことのない地へ足を運んだことで、さらに物事に対する視野が広がっていくでしょう。

    ポジティブな考え・忍耐力・感受性豊かな心・広い視野等が自分では気づかないうちに自然と一真君の中に宿ってると思うよ。
    日本縦断ラン前から本当に出来すぎの好青年 一真君 今後の更なる活躍を応援してます!!

    • Kazuma Uehara より:

      ありがとうございます!
      なんとなくこの経験が自分の力になる気はするのですが、それを証明するのは今後の自分次第ということになるのでしょうね。
      中でも、旅を通して受けた人からの恩は財産です。
      この経験があればこそこれから僕も還元していかなければ、という気持ちになれます。

  2. 倶知安かあちゃん より:

    こんばんは、一真くん。

    あれは8月6日、偶然だったけど私は倶知安駅で一真くんに会った。ホントに偶然!ほんの数時間のおしゃべりだったけど私の中を爽やかな風が流れ、なんだかとても嬉しい気持ちになった。
    一真くんの日本縦断の旅で出会ったたくさんの人たち・・・、私と同じ様な気持ちになった人は少なくないと思う。

    一真くんの日本縦断の旅は終わってしまったけど、そして、時はどんどん流れて行くけれど、爽やかランナーはみんなを元気にしていったよ! 旅で得た経験は絶対に一真くんのこれからに繋がって行く。年齢がトリプルスコアーのくっちゃんかあちゃんがそう言ってるから間違いない。今どこだべ?倶知安の近くにいたら家に来て~!!待ってるよ!

    • Kazuma Uehara より:

      そう言ってもらえると嬉しいです。
      自分が出会った人に対して何かしら提供できたのであれば、とても嬉しく思います。
      こちらこそありがとうございます!

      今は東京まで戻ってきていますが、また倶知安には遊びに行こうと思います。
      どうぞその時はよろしくお願いします!

      • 倶知安かあちゃん より:

        是非、倶知安にまた来て下さいね。私は今、この10月10日、倶知安で初めてのマラソン記録会の準備中です。みんなが気軽に参加でき、楽しい大会にしたいと思っています。第1回のこの大会が次に繋がっていけるように頑張って、いつか一真くんを招待したいです。その時は一緒に走って下さいね。爽やかランナーをみんなに紹介したいなって思っています。それとは別にいつでも遊びに来て下さいね。宿屋はくっちゃんかあちゃんちね!

        • Kazuma Uehara より:

          マラソン記録会の準備頑張って下さい!
          面白そうな大会ですね。
          ぜひいつか参加したいです。^^
          また倶知安に伺える日を楽しみにしています!