旅 Journey

立ち止まることの方が勇気が要る【日本縦断ラン #DAY 31-40 岐阜→富山→新潟→長野】#旅ラン

日本縦断ラン #DAY 31 – 2015.5.2

飛騨山脈越え

岐阜県・荘川 → 岐阜県・白川郷

 

 ひるがの高原発

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ひるがの高原の朝は冷える

 

しかし、高原ならではの乾いた空気に、近くに流れる滝の潤いがかすかに風に混じっていて心地が良い。

 

走るのにも呼吸がしやすい

 

時刻は午前7時

世間ではゴールデンウィークが本格的に始まる頃だが、まだ交通量は少ないので、安全に走れる。

 

御母衣湖・荘川桜

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10kmほど走ると、御母衣(みぼろ)湖という大きな湖畔が現れる。

地図で確認すると、10km程の長さがある大きな湖だ。

キャンプ場としても人気らしい。

朝早くから、人がポツポツ集まりだしていた。

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この御母衣湖の奥に白山の山並みが見えてくる。

富山へ行くには、あそこを越えなければ。

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御母衣湖沿いにある荘川桜も見ものだ。

桜のシーズンとしてはピークを過ぎたが、まだ散ってはいない。

白山をバックに美しい景色を眺めることができる。

 

飛騨路

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御母衣湖を越えて、飛騨路をずっと進んでいく。

相変わらずアップダウンの多い峠が続く。

 

しかし、その分、景色は美しい。

 

あらゆるところで、庄川の力強い清流を眺めることができる。

その力強さは、僕のクタクタになった脚に喝を入れているようだ

 

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そして、待望の道の駅・飛騨白山

この日は朝食をとらず3時間以上走ってきたので、久々の道の駅はオアシスのように思える。

 

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昼食に食べたのは、山菜そば

飛騨を流れる良質な水から作られたそばは絶品。

疲労も相まって、本当に美味しかった。

 

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白川郷まで、あと15km。

 

白川郷の合掌造り集落

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白川郷の合掌造り集落は言わずと知れた世界遺産だ。

 

やはり世界遺産。

人の多さが尋常ではない

観光バスの出入りも絶えることがない。

 

かつて、この地域では当たり前の風景だったのかもしれないが、

「世界遺産」という箔がつくだけで、こんなにも多くの人が出入りするようになるものか。

 

これまでの道のりは殆ど人がいなかったところに、急に人が増えだすと、

少し不思議な気もする

 

せっかくの世界遺産なので、じっくり見て行っても良かったが、

人が多いところにあまり無理して行こうとは思わない。

合掌造り集落は、遠くから眺めて終わりにした。

 

これは僕の偏屈な癖のようなものだが、

奇麗な景色や自然を目前にしても、人が多いと興ざめしてしまう

別にその場所に魅力を感じないわけではないのだが、感動が半減してしまうのだ。

 

とはいえ、人の流入が増えることで地域経済が潤うのは言うまでもない。

物事は捉えようであるから、別に「世界遺産」を否定するわけではない。

ただ、観光業を考える上で、

「世界遺産に登録されれば、はい、全て解決。」

というわけにはいかないだろう。

 

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それからほどなくして、道の駅・白川郷に到着。

今日はここで野宿か。

 

久々のwi-fiスポットがある。

3日ぶりくらいにメッセージを確認。

何人かから、生存確認のメッセージが届いていた

 

ご心配おかけしました。

無事に生きてます。

今日は世界遺産の里・白川郷で野宿します。

 

[31日目・走歩行距離42km]

 

日本縦断ラン #DAY 32 – 2015.5.3

渓谷の力強い景色に圧倒され

岐阜県・白川郷 → 富山県・南砺市

 

白川郷発

道の駅・白川郷では、久々のwi-fiスポットがあったので、ここで溜まっていたブログ更新等を済ませる。

 

世間は、ゴールデンウィークだ。

どんどん人が集まってくる白川郷で、黙々とPC作業。

結局、午前中いっぱいは作業で終わってしまった。

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昼食は、熊肉うどん

この辺では、熊肉を食べるらしい。

 

そして正午、暑さがピークに向かう頃にスタート。

異常に身体がダルく重い

今日はウォーキング中心であまり無理しないでおこう。

 

そう思いながら先に進む。

 

気温30度

ここ数日、日中の気温が高くなってきた。

この日は30度まで気温が上がる

 

疲労で体調が優れないこともあって、長時間日差しを浴び続けるのは少々効いた。

しかし、南国で育ったので、耐熱性には自信がある

これくらいで倒れていられない。

 

相変わらず、変な意地っ張りだ。

 

岐阜から富山へ

しばらく歩いていくと、ついに岐阜と富山の県境が現れる。

 

岐阜を北上する旅路は長かった。

木曽三川が流れる美濃地方、山に囲まれた飛騨地方。

たくさんの人と出会い、親切にしてもらった。

良い旅の思い出だ。

 

さらば、岐阜

 

…と、思いきや

 

実は、この岐阜と富山の県境は非常に入り組んでいる

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「この先 川を渡るごとに 県境がかわります」

 

つまり、岐阜と富山の間を何度も行き来するわけだ。

県境の線引きが細かいのは、

世界遺産である合掌造りが岐阜と富山にまたがっているためだろうか。

 

それにしても、この飛越峡合掌ライン、非常に景色が良い。

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飛騨の山々の間を流れる庄川

渓谷に架かる大橋がいくつも続く。

道中、何度も脚を止めて、その雄大な景色に見入ってしまった。

 

ここは、国道156号線

ドライブコースとしても人気のようで、ツーリングバイクも多い。

それでも、混雑するほどではないので、比較的安全に走れる。

 

国道156号線を走る2泊3日のランニングツアー

なんていうのもまた面白いのではないだろうか。

 

五箇山の合掌造り集落

世界遺産に認定されている合掌造り集落は白川郷だけではない。

恥ずかしながら、そのことを日本に23年住んでいながら知らなかった。

旅は自らの無知さをも教えてくれる。

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こちらは、富山県に属する五箇山地区の合掌造り集落

白川郷のそれと比べると、人も多すぎずゆっくり眺められる。

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すぐそばには、合掌造りを模したバス停が

なかなか洒落ている。

 

道の駅・平へ

日が落ち始め涼しくなってきた。

今更だがようやく身体が動くようになったので、もう少し先まで走ってみる。

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山、山、山。

本当に山ばかり続く。

さすが富山

名前の如く、山に富んでいる

 

山に囲まれた土地。

そこでは、まだ僕の知らない日本と出会えるかもしれない。

と、期待も膨らむ。

 

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幾重にも連なる谷を架ける橋を渡っていく。

富山は水にも富んでいる

 

ようやく辿り着いた集落にもコンビニはない。

昔ながらの集落の形が残っている。

子供は割と多いので、暗い雰囲気もない。

学校帰りの子供たちに勝手に昔の自分を照らし合わせてみる。

あの時は何もなかったようで、でも、振り返ってみると何かがあった。

今、自分は何を躍起になって探しているのだろう。

そんなに遠くにあるものでもないはずだ。

 

しばらく、集落はなさそうだ。

小さい商店で、夕食用に惣菜を買って食べる。

 

それから6km程進んだところに道の駅・平はある。

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地図では、次の集落は20km以上離れている。

今日はここで休もう。

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それにしても、こんなに標高の高いところで野宿するのは初めてだ。

山の気温差は激しい。

寝ている間に凍死していなければ良いが

まあ、だいぶ暖かくなってきたので大丈夫だろう。

 

[32日目・走歩行距離:30km]

 

 より:

こんにちは、初めまして。

先日、道の駅白川郷でお見掛けしました!
自分は車ですが連休という事もあり旅の途中でした。

外の売店待ちをしていた際、地元の方?が宿情報を話していた記憶があります。
それとブログが有るみたいな事が聞こえたので「白川郷 ランニング」等
適当に検索したらたどり着きました。

当日、声を掛けるのは逆に迷惑か?と思い声掛けませんでした。
ただただ、ランニングで日本駆け抜けるとか凄いな。と思いました。
それとランニング中の食事、風呂、寝床等はどうしているんだろう?と
その時は単純に疑問が浮かびました。

今後、どのようなルートで北を目指すか分かりませんが、
茨城を通る事があって行程とのタイミングあえば
宿泊スペース提供しますので、遠慮なくご連絡ください。
野宿以外NGと決めていらっしゃる場合は庭貸します!笑

寒暖の差があったりしますので風邪等にはお気をつけください。
また道中安全を願っております。
素敵な出会いがたくさんあるといいですね。

Kazuma Uehara より:

隼さん
初めまして。コメントありがとうございます!

白川郷でお会いしていたんですね。
声を掛けてもらっても全く問題なかったのですが、それでもわざわざコメントを貰えてとても嬉しいです。

宿泊は、野宿にこだわっているわけではなく、2,3日に1回、ネットカフェやゲストハウスなど安い宿に泊まっています。
あとは、知人・友人やその場で出会った人に泊めてもらうこともよくあります。
その場の流れですね。笑

5/9現在、新潟南部におり、今後は、長野→群馬→埼玉→東京と行く予定です。
茨城まで寄れるかどうかはまだ分かりませんが、もし通ることがあればまた連絡させていただきます。

お心遣いありがとうございます。
もし、facebook等やっておられましたら、よろしくお願いします。^^
https://www.facebook.com/kazuma.uehara.14

日本縦断ラン #DAY 33 – 2015.5.4

日本地図は正しかった。日本海側へ到達。

富山県・南砺市 → 富山県・富山市

 

高原で迎える朝

高原で迎える朝は、清々しかった。

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朝起きると目の前に広がる山並み。

なんと贅沢な。

さすがに夜は多少冷え込んだが。

 

そして、この山奥の道の駅で車中泊をする人も意外と多い

この156号線を走っているとキャンピングカーをよく見かけるのだが、

今流行りのレンタル・キャンピングカーだろうか。

最近はかなり手頃に快適なキャンプや車旅が出来るそうだ。

 

復活の兆し

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午前6時半。

道の駅・平を出発し走り始める。

 

今日はなんだか調子が良い。

下り坂ということもあるが1km6分のペースで順調に走れている。

左膝の痛みも全くではないが少ない。

 

一日の走歩行距離を40km程度に落としたことと、フォーム改善に取り組んだことが功を奏したようだ。

何事も試行錯誤だ。

 

日本縦断ランを始めた当初は、自らを買い被り、毎日50km走ってやろうと意気込んでいたが、身の程知らずであったということか。

そこはマラソンの練習と同じで、段階を踏んで距離を伸ばすなりした方が良いみたいだ。

フォームに関しても、
マラソンを走るフォームと、旅ランのフォームは違う

早く走るフォームと、ゆっくり怪我をしないで走るフォームの違いと言っても良い。

 

旅ランはまだまだ未開の分野だ

自分で考え、解決策や突破口を探していくことがまた面白い

 

この日は午前中に23km走った。

連続で20km以上走ったのは久しぶりだ。

 

砺波市

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庄川をずっと下ってきた先にあるのが、富山県・砺波市だ。

岐阜から続いてきた山道もようやく終わり、平地になる。

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愛知県からちょうどまっすぐ日本列島を縦走し、日本海側に辿り着いた。

これまで通ってきた山道とは打って変わって、これからは港町になっていくわけだ。

当たり前のことだが、地図って本当に正しいんだな、と思う。

先の伊能忠敬が極めて精巧な日本地図を描き上げた偉業に改めて頭が下がる

 

富山市

砺波市から東へ進むこと20km程。

砺波市と富山市の間には大きな峠がある。

その峠を越えると、立山の景色とともに富山市街地が見えてくる。

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夕方からは天気が荒れそうだ。

しかし、バックの山脈が美しい。

九州や中国の山とは全く異なる。

第一、それらの山頂に雪を見ることはなかった。

 

素晴らしい景色は、疲れた体を癒す

 

夜は雨がかなり大降りになった。

ここ最近、野宿が続いていたので、今日はネットカフェに泊まる。

少々走りすぎたようだ。

シャワーを浴びた後、沈み込むように眠った。

 

[33日目・走歩行距離・50km]

 

日本縦断ラン #DAY 34 – 2015.5.5

旅は人生で最も素晴らしい教材である。

富山県・富山市

 

福岡で知り合ったランナーとの再会

僕が今回、富山に立ち寄ったのは、

北陸に行ったことがなかったからということと、

この方に会うためだ。

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福岡で知り合ったランナーの東さん

同じランニングクラブの方だ。

今回、わざわざメッセージを頂き、お会いできた。

 

ちなみに、待ち合わせた富山駅は、北陸新幹線開通に伴い、この春改装したばかりとのこと。

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駅近くの環水公園というところまで案内してもらい、一緒にジョグ。

一周5kmの風光明媚な公園だ。

 

ただ、東さんも先日山道を走ったばかりということで、疲労が溜まっているそう。

話をしながら、お互いゆるゆるラン

 

リュックなしで走ると軽い軽い。

軽すぎて、違和感を感じるほどだ。

 

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素敵なランをご一緒できて良かったです。

ありがとうございました。

 

白川郷で出会った旅人

今日の午後からは富山市内でゆっくりする予定だ。

白川郷で出会った渡邊さんという方が、親切にも、富山市内の自宅アパートに泊めてくれるとのことで、お言葉に甘えさせていただいた。

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渡邊さんも、国内および海外のあらゆるところを旅した経験をお持ちだ。

旅をしているということ自体はさほど珍しいことでもないが、渡邊さんも僕と似たタイプで、チャリ旅野宿など、いわゆる自力の旅にこだわる。

(僕なんか、まだまだペーペーだが。)

 

そして、とにかく物知りだ。

たしか、米国のことわざにこんな感じのものがあった。

 

Travel is the most educational in your life.

(旅は人生で最も素晴らしい教材である。)

 

旅をしていると、自分の無知さを痛感するものだ。

初めて見聞きするような地名ばかりだし、位置関係もよく分かっていない。

その土地の歴史だってよく知らなければ、地形がどうなっているのかも分からない。

 

そういった未知の領域に遭遇する度に、

「自分は何も知らないんだな。」

「もっと勉強したい。」

という気持ちが強くなる。

 

それは、旅をしながら学べるものかもしれないし、本を読んで学ぶものかもしれない。

 

世界はとてつもなく、広く、深い

人生はいつまでも勉強、そして冒険である

 

人は一生かけて、どれだけ世界のことを知れるのだろう。

 

[34日目・走歩行距離13km]

 

日本縦断ラン #DAY 35 – 2015.5.6

立ち止まることの方が勇気が要る。

富山県・富山市 → 富山県・入善町

 

富山市発

富山から先は、一旦新潟県南部まで北上し、そこから再び内陸を通って東京を目指すルートだ。

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国道8号線に沿って、越中の道を北上していく。

常に立山の景色を眺めながらのランだ。

気温は少々高いが、乾燥しているので、それほど不快感はない。

気持ちよく走ることが出来る。

 

メリハリのある旅ランを

この日は淡々と走っていた。

だいぶ、膝の痛みも治まってきて、ある程度持続的に走れるようになってきた

 

日本縦断ラン2~4週目あたりは、少し走っては脚のあらゆる箇所が代わる代わる痛んでいたので、まともに走れていなかった。

 

リズムよく走れるようになると、
走れるときに一気に走ってしまい、日中気温が上がる時間帯はしっかり休む

そして、日差しが弱まり出した頃に再び集中して走るほうが良い。

メリハリがあった方が、怪我もしにくい気がする。

 

ということで、この日は富山県・魚津市にて、昼の休憩を取る。

新潟県は近い

 

現実逃避

しかし、休憩中何をしているのかという話。

 

僕の場合、本を読んだりただボーっとしていることが多い。

我ながら、何をしているのかと、ふと思う。

 

日本縦断ランなぞ、

ただの現実逃避に外ならないのではないか、と。

 

走っているときは、走ることに集中しているので余計な雑念がなくなるから良い。

考え事をして走っていたとしても、走っていると脳内は楽観思考になる

大抵の場合、結論は「ま、いっか」である。

 

しかし、走っていないとき、すなわち脳が正常な状態のときはそうもいかない

いろいろ考えてしまう。

時には消極的な方向へ。

ひとたび走るのを止めると現実に引き戻されるかの如く、である。

 

そう考えると、人間立ち止まることの方が勇気が要るのかもしれない。

毎日忙しく過ごしていれば、余計なことなど考えなくて済むのだ。

そして、「忙しいけど、充実している。」などとSNSに投稿すれば、周りからは褒められ、自己の承認欲求は幾分か満たされるだろう。

 

話が少々ずれたが、この日の休憩中もそのようなことを考える。

 

結論は、開き直るしかない、進むしかない、ということだ。

この場でいくら悩んでいても、答えは出ない

 

それに、現実逃避で良いじゃないか。

夏目漱石『草枕』で云うところの“非人情”とでも云おうか。

人界=現実からの解脱が、美を感じるには欠かせないという。

 

そうだ。

漱石の『草枕』も、芭蕉の『奥の細道』も、

現実逃避から生まれた傑作なのである。

 

というのが、

読んだばかりの『草枕』に慰められた僕の戯言なわけである。

 

そして、再び走り始める。

 

入善町

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黒部市を経て、入善町へ到着。

今日のゴール地点だ。

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国道から少し外れたバス停で野宿をする。

北陸に入ると、バス停は屋根があるところが多いので、野宿する場所にはあまり困らない。

 

[35日目・走歩行距離44km]

 

日本縦断ラン #DAY 36 – 2015.5.7

100人いたら100通りの旅がある。

富山県・入善町 → 新潟県・糸魚川市

 

入善町発

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だいぶ、野宿がしやすい気温になってきた。

平地に降りてきたこともあるだろう。

 

バス停で地元の方と少しお喋りしてから、入善町を出発する。

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山口県以来、1ヶ月ぶりに日本海を眺めながら走る

 

新潟県突入

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小高い峠をひとつ越えると、

富山県と新潟県の県境が見えてくる。

新潟県・糸魚川市に突入だ。

 

新潟県なんて、九州人からすると、心理的にも遠いが、まあ、来てしまった。

 

道の駅・市振での出会い

かの松尾芭蕉が旅中に休憩したという市振

ここの道の駅で、チャリで日本一周中の青年に会う。

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走っている道中、チャリ旅中と思われる人には結構良く会うのだが、

こうして、偶然同じ場所で休憩するのも何かの縁だ。

 

聞いてみると、宮崎出身という。

まさか、ここ新潟で九州人に会えるとは。

 

ちなみに、僕の地元・奄美大島の訛りと、宮崎の訛りは似ていると思っている。

 

彼のたびのスタイルは、ほぼ自給自足

荷物も多くて大変そうだが、その分、旅中にお金はほとんどかからないそうだ。

だから、旅の期間を定めてもいないらしい。

 

お金をかけても旅は出来るし、お金をかけなくても旅は出来る。

やり方次第なんだろう。

100人いたら100通りの旅がある

 

お互いの旅の無事を祈って別れた。

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天下の険・親不知(おやしらず)

次に立ちはだかるは、北陸道・最大の難所といわれた親不知(おやしらず)の崖道。

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日本アルプスの西の果て

日本を東西に分断する山脈が日本海に沈みこむ地である。

 

上のような崖道が15km程続く

崖なのでさすがに道が狭く、危険なところもあったが、景色は格別だ。

日本列島の悠久なる歴史に圧倒される

 

ちなみに、親不知(おやしらず)の名前の由来は、

この道を親子で通るとき、互いに気にかけることもできないほどの険しい道であったからだそうだ。

 

明治時代に、北陸道が整備されたときの喜びの句が崖面にも刻まれている。

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如砥如矢(とのごとく やのごとし)

 

今でこそ、観光地として歩くことが出来るが、今日に至るまでの道路整備に尽くした先人たちに感謝しなければならないだろう。

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糸魚川市街

15km程続いた親不知の崖道を抜けて、糸魚川市街に辿り着く。

糸魚川沿いには、日本を東西に分かつ巨大な断層・フォッサマグナがある。

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遠くから見ると奇麗なものだが、これから山脈を越えて走ると考えると少し恐ろしい。

 

再び、山越えの日々が続きそうだ。

 

[36日目・走歩行距離37km]

日本縦断ラン #DAY 37 – 2015.5.8

なぜ僕は発信し続けるのか

新潟県・糸魚川市

 

■発信することについて

今更な感じもするが、なぜ僕がブログ等で発信し続けるのか、ということについて
言及してみたいと思う。

走りながら旅をするだけでも、かなり体力を使うので、その上ブログも書き続けるというのは、
なかなか骨が折れる。

走るだけの一日の方がシンプルで良い気もする。

それでも、自分が発信し続ける理由は何だろうと考えてみた。

 

(1) 人がなかなかやれない経験を記録として残しておきたいから。

一番に思いつくのはこれだろう。

「日本縦断ラン」という貴重な経験を記録として残しておきたい。

至極、単純な理由である。

 

(2) 自分の報告を楽しみにしてくれている人がいるから。

そして、なぜその記録を人にシェアするのか。

別にブログやSNSで発信しなくても、自分だけの記憶として残しておくという選択肢もある。

 

だが、嬉しいことに

「ブログ読んでるよ。」

「旅の報告、楽しみにしてるよ。」

といった声を頂く。

 

そうか。

自分の経験を他人とシェアすることが一つの価値になるのだと僕は思った。

 

SNS等が発達した現在、情報発信はいとも簡単にできる。

逆に、発信をしないということは、応援してくれる人や報告を楽しみにしてくれている人に対して不義理な行為なのではないかと思う。

 

(3) 自分を客観視するため。

僕は、文章を書くことが割と好きだ。

別に大好きとまではいかないが。

ただ、文章を書くと頭の中が整理されるというのは本当のことのようで。

何となく思っていたことや感じていたことが、文章の中で言語化されることで初めて、自分で自分の考えていたことが理解できることもある。

その点で、僕は

思考=言語化すること

というふうに考えている。

 

そして、ものごとを言語化する過程で、人はその経験、出来事、感情を客観視することになる。

 

走っていて、大変なことや辛いときもある。

だが、それを文章として言語化してみると、そのときには既に、ものごとを客観的に捉えている。

「言葉にしてみると案外、大したことなかったな。」とか

「振り返ってみると、良いネタになったな。」とか、思えるものだ。

 

こういったプロセスにおいて、いわゆる思考の整理が生じる。

僕はその感覚が、面倒くさくもあり、楽しかったりするのだ。

 

以上が、僕が情報発信をする主な理由であるが、

ここで断っておきたいのは、僕は別に

「走って日本縦断してるんだぜ。凄いだろ。」

と自慢したいわけではないということだ。

まあ、全くその気持ちがないわけでもないが、それは重要な要因ではない。

 

走って旅をするというのは、僕自身が勝手にやりたいと思ってやっていることだし、

発信などしなくても十分に楽しめることだ。

むしろ、オープンにすることによる気苦労も正直ある

 

ただ、発信し続けることの意義を重視しているだけである。

 

自分のやりたいことやその思いを発信することで、新たな出会いがあったり、それが自分のやりたいことの実現に繋がる

まさにこの「日本縦断ラン」がそうだ。

そして、前述したように自分の発信を楽しみにしてくれている人がいるというのが、何より意義深い。

 

拙い発信ではあるが、今後もお付き合い頂けるとこの上ない喜びである。

 

[37日目・走歩行距離:0km]

 

日本縦断ラン #DAY 38 – 2015.5.9

一人の人間が日本縦断することなんて無に等しい。

新潟県・糸魚川市 → 長野県・小谷村

 

糸魚川発

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午前、5時半。

新潟県・糸魚川を発つ。

国道148号線に乗って、姫川沿いに長野県へ向かって南下する。

 

この道は、日本を東西に分かつ大断層・フォッサマグナの境界線でもある。

日本列島の大地の構造を意識しながら走ってみるのも面白い。

地質学なんて全く興味のなかった自分がこんなことを言うのだから、旅の影響力というものは侮れない。

 

フォッサマグナ

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ここがフォッサマグナの西の境目

 

フォッサマグナとは、目に見えない巨大な溝である。

その深さは約6000mだそうだ。

1600万年前は海であったところに岩石が溜まってできている。

 

つまり、今自分が立っている地点を境に、

左側が4億年前の大地、右側が1600万年前の大地ということになる。

 

そのスケールの大きさを前に、ただ呆然とする。

たかだか1年間フラフラしていたって長い目で見たら一瞬の出来事にも及ばないのだ。

「大学卒業後、すぐに就職しなければ後はない」

と言う人もいるが、何をそんなに焦る必要があるのか。

 

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さらに、この場所は地球規模で見ると、

ヨーロッパプレートと北アメリカプレートの境目でもある。

 

これまた、なんというスケールの大きい話だ。

自分がどうしようもなくちっぽけな存在であることを痛快なほど思い知る。

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たかが日本縦断したくらいでなんてことはない。

きっと今目の前にしている日本アルプスからしてみたら、

アリがちょこっと進んだくらいのものだろう。

 

別に自分を凄い人間だと大きく見せる必要もない。

そうしたところで、自然という強大な力の前では無に等しいのだ。

 

信越の山越え

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姫川に沿って、さらに南下していく。

見渡す限り、信越の山並み。

谷を流れる姫川の急流がこの大地を形作ってきたのだ、と実感する。

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実際にこの辺りは最近でも地滑りが起こっているらしい。

 

長野県へ

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豊かな水と森に囲まれながら、新潟県と長野県の県境に達する。

 

信越の道は、トンネル・洞門が多い

1000m超のトンネルがいくつも連なる。

一番長い洞門トンネルは約6km続いた

 

流石、山の国だ。

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しかし、足下には気を付けた方が良い。

トンネルの壁面から森の水が染み出していて、地面が泥でぬかるんでいる

それだけならばいいのだが、トンネル内の灯りが少なく、車が通らないときは全く足下が見えないことがある。

ヘッドライトがあると便利だ

 

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しばらく走ると、道の駅・小谷が見えてくる。

小谷と書いて、「おたり」と読ませる。

そう言われなければ、「おたに」と読んでしまうところだ。

 

ここから、温泉スキー場が増えだしてくる。

 

白馬村

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午後になって雨が降り出す。

それほど強い雨でもないので、そのまま走り続ける。

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雨が滝の流れをより一層強くする。

 

途中、雨の中をバカでかいリュックを背負って走る自分を心配してくれたのか、

「兄ちゃん、乗ってくー?」

と車から声をかけられる。

 

ヒッチハイクしてもないのに向こうから乗せてくれるなんて。

雨風が冷たかったが、その気持ちが温かい。

 

だが、こちらは「日本縦断ラン」なので、車に乗ってしまえば元も子もない

気持ちだけ有難くいただき、先へ進む。

 

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そして、白馬大池駅に辿り着く。

白馬村はスキー場が多く、冬の時期はスキーをしに人が集まるそうだ。

今日は既に走歩行距離が40kmを超えているので、ここで休むことにする。

 

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駅内で、駅ノートなるものを発見。

この駅を訪れた人たちが、老若男女問わず、このノートに書き込んでいて面白い。

中には、上手なイラストを描いている人もいる。

 

せっかくなので、僕も書き込んでみる

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実は、僕も絵を描くのが好きで、ふとその血が騒ぐ。

 

今後、長野県・白馬大池駅を訪れる機会があったら、そこの駅ノートを覗いてみてほしい。

 

[38日目・走歩行距離:43km]

 

日本縦断ラン #DAY 39 – 2015.5.10

長野県・白馬村 → 長野県・大町市

 

白馬大池駅発

午前4時半起床。

白馬大池駅での野宿はなかなか厳しかった。

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肘掛

これのせいで、かなり歪な態勢で寝ることになる。

そして、姫川のすぐそばということもあるだろう、夜はかなり冷え込んだ。

気温は分からないが、感覚的に真冬並みの寒さである。

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この場でじっとしていても寒いだけなので、外が少し明るくなってきたところで出発する。

指の感覚がなくなるほどに寒い。

 

白馬村中心へ

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日本アルプスで目にした日の出は、神々しいほどに美しかった

 

「美は言葉に表せない。」

とはこのことだ。

 

ただただ、目を奪われる。

吸う空気が美味しい。

 

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北アルプスの美しい山並みが続く。

およそ日本のものとは思えない。

まあ、僕の中での「日本」だが。

 

早朝の静けさが一層、僕の心を平穏にする。

 

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白馬駅に到着。

村全体が綺麗に整備されていて、統一感のある街並みだ。

そこに身を置いているだけで気分が安らぐ。

 

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恒例の無料足湯

いや、改めてみると靴下焼けがひどい

これ、ちゃんと靴下は脱いでいます。

 

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気温は10℃

昼前で日が昇ってるにも関わらず、この寒さだ。

日本は広い。

場所によって天候も全く異なるのだから面白い。

 

青木湖~木崎湖

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白馬村を抜けて、大町市を目指す。

その道中にある二つの大きな湖が、

青木湖木崎湖だ。

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癒しの風景が続く。

ようやく気温も上がってきて、快適に走れるようになってきた。

体力が無限にあれば、いつまでもこの風景の中を走っていたい

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長野名物のおやき

太陽の光を反射させて輝く木崎湖を眺めながら頬張る。

ロケーションも相まって、実に美味い。

 

大町市

長野県は大町市に到着。

今日のゴールはここだ。

 

今日も夜は冷え込みそうだ。

野宿する場所探しが難航し、一時はゴミ収集場に寝ようとまで考えた。

結局、しばらく歩いて駅を見つけたので、ゴミと共に一夜を過ごす事態は免れた。

 

[39日目・走歩行距離:34km]

 

日本縦断ラン #DAY 40 – 2015.5.11

長野県・大町市 → 長野県・安曇野市

 

大町市発

ケータイの充電が切れていたので、駅近くのコンビニで朝食をとりつつ充電。

大町市から安曇野市を目指して走る。

 

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まずは、男性長寿の村・松川村を抜ける。

しかし、松川村に入ったのも束の間。

すぐ安曇野市に入る。

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うむ。

景色も良く、調子良く走れている。

 

・・・と思った刹那。

左膝にあの激痛が走る

9km程走ったところだった。

 

さらに左膝の痛みで身体バランスが崩れた結果、痛みが左脛にも転移する

かえって、こちらの方が激しい痛みに変化していく。

 

調子が良いときに限って、こういうことが起こる。

まあ、うまいこと調整するしかない。

 

穂高

痛みが出たのは仕方ない。

まあ、ゆっくり行けよ。

ということなのかもしれない。

長旅では、解釈の転換が重要だったりする。

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道中に見かけたこちらの惣菜屋さん・デリデリに立ち寄る。

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手作り惣菜のバイキングが500円

美味しくてリーズナブル。

広いイートインスペースもあり、日本アルプスの景色を見ながら寛げる。

さらに、店員さんが親切にしてくれて差し入れまで。

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オススメの地元の道を教えていただき、温泉の入浴券までいただく。

 

いやあ、何が起こるか分からない。

脚を痛めて立ち寄ったお店でこんなに親切にしてもらえるとは。

怪我も捉え方次第である。

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デリデリの店員さんが教えてくれた案内に従って、山麓線へ向かう。

森の中に入っていくような道だ。

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・・・と思ったが、

この道、お洒落なカフェアートギャラリーが割と多い。

人の出入りもそこそこにある。

 

他の地域であれば、少し森に入ると、完全に手つかずの道になっているパターンが多い。

だが、この道は都会的な洗練さすら感じる。

それでいて、この穂高地区の自然豊かで静かな雰囲気を壊すことはない。

 

地域の自然資源を上手く活用しているな、と思う。

 

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それから、デリデリで頂いた入浴券を使って、温泉へ。

山の麓にある静かな温泉施設だ。

久しぶりの温泉に癒される。

左脛の痛みも幾分か癒されると良いが・・・。

 

激痛と戦いながら

残念ながら、左脛の痛みは治まるどころか、次第に激しさを増していく。

炎症系の痛みだ。

動かさないのが一番良いのだが、この日は宿を予約していて、そこまではあと12km程歩かなければならない。

脚を引きずりながら先に進む。

 

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しかし、痛みは次第に増していく。

苦悶の表情で歩を進める。

歩くのもままならない。

本当に宿まで辿り着けるのだろうか、と不安が頭をよぎる。

 

あたりが少しずつ暗くなりはじめ、道も狭くなってくる。

左脚を引きずりながら、心細くなる。

 

そんな時に、地元のおじちゃんが

わざわざ車を停めて、

「どこ行くだ?乗ってけ。」

と声をかけてくれる。

 

気持ちは本当に嬉しかったが、目的地まであと3km

目と鼻の先である。

自分の脚で行きたい

 

その旨を伝えると、そのおじちゃんは

せめてこれだけでもと言い、信州りんごをくれた。

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嬉しすぎる。

本当に温かい人ばかりだ。

このりんごが絶品であったことは言うまでもない。

 

生還

なんとかかんとか、この日の宿に辿り着いた。

最後はもう歩きとも言えないスピードであった。

痛みの酷さで言うと、この日本縦断ランで最も辛かった

 

だが、なんとか到着できてよかった。

しばらく休む必要がありそうだ。

 

[40日目・走歩行距離:30km]